日立ハイテクは2025年12月19日、加速電圧120kVの透過電子顕微鏡(TEM)「HT7800Ⅱ」を発売しました。高品質で再現性のあるデータ取得と観察業務の効率化を同時に狙い、従来のHT7800シリーズの高分解能・高コントラスト性能に加えて自動化機能を強化しています。

TEMは材料や生体試料の内部構造を観察する装置で、120kV機は医学・生物学や高機能材料の研究開発で利用が広がっています。一方でAI活用やデータ駆動型解析の進展により大量データ取得の需要が増え、熟練者だけでなく初心者も扱える操作性が課題になっていました。HT7800Ⅱはモニター上のGUIに操作を集約し、視野探索から撮影までを直感的に進められる設計です。さらに取得データの品質に直結する電子ビーム調整を「ワンクリック」で行う自動ビーム調整機能をシリーズで初めて標準搭載し、調整時間の短縮と品質の安定化を図ります。高コントラスト(長焦点)と高分解能(短焦点)を1つの対物レンズで切り替える複合対物レンズも継続搭載し、目的に応じてワンクリックで観察モードを変更できます。電子線トモグラフィー対応を標準機能とし、CLEMやクライオ、STEM、EDSなどはオプションで拡張可能です。今後は、装置を「データを取得・創出する資産」として位置付け、研究・検査現場の生産性向上とデジタルサービス展開を後押しするとしています。

【商品情報】

製品名:HT7800Ⅱ(120kV透過電子顕微鏡)

製品紹介:https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/microscopes/sem-tem-stem/tem-stem/ht7800.html

source: PR TIMES

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