東京大学発バイオベンチャーのジェリクル株式会社(2018年設立、東京都文京区)は、機能性高分子などを手がける綜研化学株式会社(1948年創業、東京都豊島区)と、独自材料「テトラゲル」を用いた細胞培養関連製品の共同開発契約を結びました。両社は細胞培養分野での新製品化の可能性を検証し、産業応用につながる技術確立を目指します。

テトラゲルは、分子構造が均一なことを特徴とするゲル素材で、細胞の足場となる環境を精密に制御しやすいとされています。再生医療や創薬研究では、細胞を大量かつ高品質に培養することや、三次元構造を保ったまま増やすことが重要ですが、従来技術では細胞機能の低下や分化制御の難しさなどの課題がありました。両社はジェリクルのゲル設計技術と、綜研化学のポリマー設計・量産技術を組み合わせることで、より効率的で再現性の高い培養を可能にする製品化を狙います。

綜研化学はアクリル系粘着剤や有機微粒子などで液晶パネル向けにトップクラスのシェアを持ち、生産設備もグループ内で自前設計できる体制です。この量産・品質管理の強みを活かし、開発から市場投入までのリードタイム短縮も視野に入れています。今後は、具体的な製品仕様の検討や性能評価を段階的に進め、市場ニーズとの適合性を見極めながら、再生医療や創薬評価用ツールとしての実用化を探る見通しです。

【企業情報】

ジェリクル株式会社 東京都文京区本郷3丁目38番10号 さかえビル2F

綜研化学株式会社 東京都豊島区高田三丁目29番5号

source: PR TIMES

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