標準治療(手術や抗がん剤など)が難しい食道がんを対象に、腫瘍溶解(しゅようようかい)ウイルス製剤「テロメライシン」(OBP-301)が厚生労働省へ製造販売承認申請された。開発は岡山大学で、申請は大学発ベンチャーのオンコリスバイオファーマが行った。全国17施設での第II相試験で有効性が確認されたという。

テロメライシンは、がん細胞で選択的に増殖して細胞死を誘導し、正常細胞では増えにくい設計とされる。基礎研究で放射線治療の効果を高める作用(放射線によるDNA修復の阻害)が示され、放射線併用で開発が進んだ。臨床開発は2006年に米国で第I相(安全性確認)から始まり、日本では2013年に臨床研究、2017年に企業治験の第I相、2020年から多施設共同の第II相へ展開した。

同剤は2019年にPMDAの「先駆け審査指定制度」対象品目に指定されている。販売はオンコリスと提携する富士フイルム富山化学が担う予定で、準備を進める。今後は審査結果と承認可否、実臨床での運用体制が焦点となる。

【関連情報】

テロメライシン承認申請に関する岡山大学資料 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20251218-1.pdf

オンコリスバイオファーマ https://www.oncolys.com/

source: PR TIMES

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