累計発行部数約2400万部の時代小説シリーズ『剣客商売』（池波正太郎、新潮文庫）が、イギリス大手書店チェーンWaterstonesによる「The Best Books of 2025: Crime & Thrillers」に選ばれました。英語版タイトルは『The Samurai Detectives Volume 1』で、2025年の犯罪・スリラー分野の注目作として紹介されています。
Waterstonesはイギリス最大手の書店チェーンで、同リストは書店員が「今年読むべき犯罪小説・スリラー作品」を選ぶセレクションです。昨年は柚木麻子さんの『BUTTER』を「Waterstones Book of the Year 2024」に選出しており、日本作品への関心が高まるなかでの選定となりました。
『剣客商売』は江戸中期を舞台に、老練の剣客・秋山小兵衛と息子の大治郎が、剣と知恵で事件や不条理に立ち向かう物語です。日本では「時代小説」として親しまれてきましたが、海外では謎解きとサスペンス性が評価され、本格ミステリとして受容されつつあります。英米圏では近年、横溝正史や江戸川乱歩らの翻訳が静かなブームとなっており、本作の選出はその流れを後押しする格好です。
英訳は翻訳者・梶田唯さんが担当し、テンポの良い会話や簡潔で力強い文体、季節感ある描写を生かすことを重視したとしています。今後は続巻の翻訳や映像化への波及、日本の歴史・時代小説全体の国際的な再評価がどこまで進むかが注目されます。
【書籍情報】
剣客商売一 剣客商売
著者：池波正太郎
新潮文庫/2002年9月20日発売/定価825円/ISBN：978-4-10-115731-3
公式サイト：https://www.shinchosha.co.jp/book/115731/
source: PR TIMES