出版社の誠文堂新光社は、青森県の伝統的な刺し子「津軽こぎん刺し」を総合的に紹介する書籍『増補改訂版 津軽こぎん刺し 技法と図案集』を2025年12月22日に発売します。B5判224ページ、価格は税込3,960円で、監修は弘前こぎん研究所が担当します。ISBNは978-4-416-52555-5です。

本書は、東北地方に伝わる刺し子の中でも代表的な「津軽こぎん刺し」について、歴史や由来、模様の種類などの基礎知識から、材料・道具の選び方、下準備、基本の刺し方までを写真と図版で解説します。こぎん刺しは、麻布の防寒と補強のために麻糸で布目を埋めるように刺したのが始まりとされ、生活の知恵から生まれた技術が、女性たちの工夫により多様な模様へと発展してきました。

内容面では、民藝運動との関わりや、伝統を受け継ぐ作り手へのインタビュー、基本模様である「モドコ」の図案、南部地方に伝わる「菱刺し」との関係性なども盛り込み、手芸入門者から研究目的の読者まで幅広い層が活用できる構成としています。2013年刊行の旧版をもとに、増補改訂版では新たに古作10点を収録し、インタビュー記事や年表の内容も最新の情報に更新されています。

日本の手仕事への関心が高まる一方、こぎん刺しに関する専門的な書籍は絶版が多く、体系的な情報を得にくい状況が続いてきました。今回の増補改訂により、北国の厳しい風土から生まれた刺し子の高い技術と、美しさや温かさを次世代に伝える資料として、長期的に利用される一冊となるかが注目されます。

【書籍情報】

増補改訂版 津軽こぎん刺し 技法と図案集/誠文堂新光社/B5判・224ページ/定価3,960円(税込)/発売日 2025年12月22日/ISBN 978-4-416-52555-5

source: PR TIMES

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