2025年10月11日、大阪・関西万博会場内で示された「103のアクション」の第25回は、みんなの「いのちの水」を守ることを主題に、雨が大地に浸みこみ川や地下水となる循環を活かす昔ながらの仕組みや施設を未来へつなぐと明確化しました。柱はnature・culture・infrastructureの3要素を束ねる「水みんフラ」です。
水みんフラは、水道・治水に限らず、森や田畑、ため池や用水路といった自然・地域運営・人工物を「みんなの基盤」と捉える考え方です。人口減少や過疎化で担い手が減少し、料金収入の不足による維持管理の遅れや施設老朽化に、気候変動由来の豪雨・渇水リスクが重なっています。東京財団政策研究所の「未来の水ビジョン」は現状分析と将来像、政策提言を進め、2024年にはNature Waterで“of all, by all, for all”の視点が示されました。
実装面では、ため池・用水路の保全、森林の保水機能の回復、都市での雨水浸透の促進などが例に挙がります。地域・行政・企業・研究の四者が役割を分担し、費用と効果を可視化して合意形成を進めることが要となります。いのち会議は水みんフラの理念を世界に広め、みんなのためにみんなで守る取り組みを後押しします。
今後は、各地の計画に水みんフラの指標や評価を組み込み、科学的知見と市民参加を両輪に進められるかが焦点です。自然の力の活用と老朽化対策の両立が実現すれば、地域のレジリエンス向上と安定給水の確度は高まると見込まれます。
【研究資料】
東京財団政策研究所「水みんフラ ―水を軸とした社会共通基盤の新戦略―」 https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4388
Nature Water: Water infrastructure of all, by all, for all https://www.nature.com/articles/s44221-024-00338-y
source: PR TIMES
