山梨県は12月2日11時50分頃、富士河口湖町の西湖・水深約30メートルの湖底で、野生絶滅種クニマスの自然環境下の産卵行動をモニタリングカメラで撮影したと明らかにしました。産卵場と推定した地点で、複数個体が砂れきを選び、産卵・受精に至る瞬間を捉えたとしています。

クニマスは秋田県田沢湖の固有種でしたが、酸性水の流入で昭和20年に絶滅したとされ、環境省レッドリストでは「野生絶滅」に位置付けられています。西湖での生息確認は2010年に報告されましたが、産卵は暗く冷たい深層で行われるため観察例がなく、今回は水深30メートル・水温約5℃という条件下での初記録となりました。

県は今後、産卵からふ化後までの状況を継続調査し、生育環境の保全と個体群維持を進める方針です。あわせて、完全養殖技術の確立に向け、今回の知見を飼育試験に反映させるとしています。

source: PR TIMES

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