気候変動に適したコメとして、新品種「コシヒカリ駿河d60Hd16」の種籾予約販売がオンラインで始まりました。全国シェア約3分の1を占める従来のコシヒカリは台風被害と高温障害を受けやすく、2023年には1等米比率が半減しましたが、新品種は晩生化と耐倒伏性の強化により安定多収を目指します。
「コシヒカリ駿河d60Hd16」は、出穂・登熟がコシヒカリより約14日遅く、登熟期が猛暑のピークを外れることで高温登熟障害(米粒の品質低下)を避けやすい設計です。また稈長は約13cm短く、台風時に茎が倒れにくい特性を持ちます。食味はコシヒカリと同等とされ、品質と収量の両立を図っています。
西日本の主力品種「ヒノヒカリ」と比べると粒重が1.0g重く約8%多収、「きぬむすめ」と比べると粒重が0.4g重く穂数が26%多いなど、複数指標で優位性が示されています。開発には18回の交雑とゲノム解析が用いられ、短稈・大粒・多穂・晩生といった有用遺伝子を組み合わせたと説明されています。
今後、全国の産地での作付け拡大と収量・品質データの蓄積により、どの地域・気象条件で最大の効果を発揮するかが検証される見通しです。普及が進めば、コメ不足リスクの軽減や、気候変動下での安定供給につながる可能性がありますが、農家の導入コストや市場評価など課題も残ります。
【商品情報】
スーパーコシヒカリ公式ショップ
スーパーコシヒカリ種籾予約販売中
source: PR TIMES
