熊本大学などの研究グループは、日本全国の入院ビッグデータを用いた解析で、PM2.5の短期曝露が急性心筋梗塞(AMI)の発症リスクを有意に高め、特にMINOCA(明らかな血管閉塞を伴わない心筋梗塞)で影響が強いと報告しました。解析対象は2012年4月〜2022年3月のAMI入院患者270,091名(MI-CAD 247,054名、MINOCA 23,037名)です。

研究は全国の環境モニタリングステーションのPM2.5濃度と、日本循環器学会認定施設の入院データを突合し、発症日と同一月内の非発症日を比べる時間層別ケース・クロスオーバー法で評価しました。PM2.5は炎症や酸化ストレス、血管内皮機能障害などを通じてAMIを誘発し得るとされます。

結果として、MINOCAではPM2.5に関連すると推定される人口寄与危険割合が23.2%と示され、同サブタイプで相対的に影響が大きい可能性が示唆されました。さらにCOVID-19パンデミック後には、PM2.5に関連するMINOCAの発症リスクが有意に低下しており、日本でロックダウンはなかったものの、マスク着用などの行動変容が関係した可能性があります。

今後は、個人レベルの曝露をより正確に捉える評価手法の開発や、大気質改善が心血管疾患を長期的にどの程度抑制するかの検証を進め、公衆衛生政策や予防医療への活用が期待されます。

【関連リンク】
論文URL: https://academic.oup.com/eurheartj/advancearticle/doi/10.1093/eurheartj/ehag102/8482287?searchresult=1
関連リンク: https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/byouin/20260216

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