熊本大学の研究グループは、結晶化の途中でアルコール類を加えると、キラル無機結晶の三塩化銅セシウム(CsCuCl3)が右手型・左手型に分かれて結晶化することを見いだしました。成果は2025年12月24日付で学術誌「Crystal Growth & Design」に掲載され、DOIは10.1021/acs.cgd.5c01350です。
研究では、アルコール添加の有無で結晶の成長方向が変わることが分割の要因になると整理しました。また、キラルでない「アキラル相」の結晶をテンプレートとして用いてもCsCuCl3の光学分割を誘起できるとしています。無機結晶で右手・左手型に分かれる条件は十分に研究が進んでいなかったとし、手法の一般化を狙います。今後、CsCuCl3以外のキラル無機結晶にも適用できれば、キラル材料の作り分け手段の拡充につながる可能性があります。
【論文情報】
Solvent and Achiral Crystalline Phase-Induced Chiral Resolution of CsCuCl3
https://doi.org/10.1021/acs.cgd.5c01350
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