国際標準団体グローバル・エレクトロニクス・アソシエーションは1月6日、2026年のエレクトロニクス業界トレンド予測を公表し、関税や地政学リスク、景気不透明感の中でも「レジリエンス(適応力)」を軸に戦略を能動化すると示しました。最大のボトルネックは労働力不足で、生産技術者や先端製造人材の欠乏が北米・欧州に加え東南アジア、メキシコでも課題になる見通しです。成長のけん引役はAIインフラ投資で、投機資金よりもハイパースケーラーによる長期投資が中心になり、制約は資本ではなくエネルギーインフラだとしました。電源管理部品や先進冷却、高効率アーキテクチャ需要の増加を見込みます。国内回帰の「ニアショアリング」は採算の壁で頓挫する案件もあり、量産優位はアジアが維持する一方、防衛・航空宇宙やAI技術スタックは追加コストを吸収しやすい領域と位置づけました。サプライチェーンは分断と強靭化が同時進行し、二次・三次までの可視化と多地域・多層化が標準へ。重要鉱物は国家戦略資産となり、リサイクルや回収も供給不安対策として重みを増すといいます。政策は半導体単体から先端パッケージング、PCB(プリント基板)、組立を含む製造スタック全体へ焦点が移り、3D実装やチップレット、フォトニクスの進展が素材革新を加速するとしました。今後は、スマート製造(デジタルツインやAI最適化)への投資の有無が企業間格差を広げ、標準・材料・エネルギーを含む「エコシステム全体」の競争が強まる見通しです。

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