京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授は、1945年1月13日午前3時36分に発生した三河地震(M6.8)の前に、電離層の電子数密度が急増していた可能性を示す解析結果をまとめました。地震発生の約1時間半前から約1時間前にかけて、急激な増大が観測記録に現れたといいます。
解析対象は、神奈川県平塚(海軍)で行われた垂直観測の戦前手書きイオノグラム(電離層観測記録)です。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が公開する資料を用い、地震直前の時間帯における電子数密度の変化を確認しました。三河地震では犠牲者が2,000人以上とされます。
当時は戦時下で被害情報が統制される一方、平塚市では昭和20年3月まで電離層観測が継続され、震央に近い観測データが残りました。電離層は上空の電気を帯びた層で、電子数密度は電波の反射特性にも関わる指標です。梅野教授は2025年12月31日にも昭和東南海地震直前の異常を扱っており、歴史データの学術的価値を掘り下げています。
今後は、2022年3月9日に東京大学本郷キャンパスで開かれる日本応用数理学会連合発表会で、戦前イオノグラムが大地震時の電離層異常を捉えていた状況について、より詳細に報告する予定です。
【イベント情報】
発表予定: 2022年3月9日 日本応用数理学会連合発表会(東京大学本郷キャンパス)
関連データ: NICT公開 戦前の手書きイオノグラム(電離層観測記録) https://wdc-cloud.nict.go.jp/IONO/wdc/iono_handwritten/index_test.html
参考1: 2025年12月31日 昭和東南海地震発生直前の電離層異常 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000168434.html
参考2: 2025年5月2日 能登半島地震の発生直前の電離層の急降下(京都大学) https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-05-02-1
