三菱電機(東京都千代田区)と京都大学大学院工学研究科(平方研究室)は2026年1月27日、高配向性熱分解グラファイト(HOPG)が、繰り返し曲げ負荷で軟化した後に時間経過で機械的強度が回復する「自己復元特性」を持つことを世界で初めて確認した。両振り試験では1,000回の負荷で変形抵抗が41%まで低下したが、7日間放置で97%まで回復した。

検証では、HOPGのマイクロレベル試験片を作製し、繰り返し曲げ負荷でせん断変形させる試験方法を確立した。片振り試験では10,000回の負荷で初期の66%まで軟化し、その後38日間放置で91%まで回復した。総負荷回数は片振りが合計16,000回(10,000回+3,000回+3,000回)、両振りが合計2,000回(1,000回+1,000回)としている。

vdW(ファンデルワールス)積層材料は、層同士が弱い力で重なった材料で、MEMS(微小電気機械システム)の軽量化や高機能化に有望とされる一方、マイクロ試験片の作製や試験法が未整備で、疲労特性など中長期信頼性のデータが不足していた。今回、30分放置で70%から82%へ回復した箇所も確認し、振動環境下での長寿命化に向けた指標を示した。

今後は、この自己復元特性をMEMSの振動吸収機構へ応用し、壊れにくい信頼性の高い機構開発を目指す。また、確立した疲労試験方法を他のvdW積層材料にも適用し、材料変形で電位が発生する材料への展開も進める。研究成果は学術誌「Diamond and Related Materials」に採択された。

【関連リンク】
詳細URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/2026/0127
2019年3月25日広報発表:https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/pdf/2019/0325.pdf
試験方法関連PDF:https://www.giho.MitsubishiElectric.co.jp/giho/pdf/2025/2501103.pdf
学術誌「Diamond and Related Materials」:https://www.sciencedirect.com/journal/diamond-and-related-materials
お問い合わせ:https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_at.html

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