キッズウェル・バイオグループのS-Quatreと名古屋大学医学部附属病院は、乳歯由来の歯髄幹細胞(SHED)を脳性麻痺モデル動物に慢性期から投与しても、運動や学習記憶などの機能改善がみられることを示した研究論文を国際誌に掲載しました。モデル作製から1か月後に介入を開始し、2週間ごとに3回の静脈内投与を行い、初回投与から4か月間評価しています。
対象は幼若ラットの低酸素性虚血性脳症(周産期の低酸素などで脳が損傷する病態)モデルです。初回投与後24時間および48時間でSHEDの一部が脳内へ移行したことを確認し、2か月時点で神経新生に関与するタンパク群の発現変化を捉えました。さらに4か月時点では、特定の脳領域で成熟した神経細胞が増加したとしています。
作用機序の検討では、培養実験によりSHEDが神経幹細胞の増殖を促すことを示し、因子の一つとしてHGF(肝細胞増殖因子)を同定しました。両者は約6年間の共同研究として、診断後の遠隔期でも治療介入が成立し得る可能性を、慢性期介入の体系的報告が乏しかった領域で数値と時点を伴って提示した形です。
今後は外部研究機関とも連携し、SHEDの科学的検証を継続して脳性麻痺を対象とした臨床開発の根拠として活用し、治療法提供を目指すとしています。
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掲載論文URL:https://link.springer.com/article/10.1186/s13287-025-04828-y
S-Quatre 公式HP:https://www.kidswellbio.com/s-quatre
