一般社団法人Nyx Foundation(東京都文京区)は12月23日、京都大学理学部の特定准教授で国立情報学研究所LLMセンター客員准教授の三内顕義氏をPrincipal AI Scientistに迎えた。AIエージェントが自動で取引・決済する「AIエージェント経済」を見据え、ブロックチェーン決済を含むプロトコルの安全性を形式検証(Leanなど)とAIによる自動化で担保する研究開発を進める。背景には、AI同士の決済が広がる一方、自律型エージェントはクレジットカードなど人間前提の決済手段を持ちにくいという制約がある。課題は①セキュリティ②信頼性・透明性で、数学的証明に基づき仕様や実装の正当性を確認する形式検証が有力策とされる。ただし人手検証は工数が大きく、ケプラー予想の形式化に10年、Liquid Tensor Experimentでは最後の5行に6万行のコードが必要だったとされる。三内氏のprover agentは定理証明と形式化を自動化し、数学オリンピック級の問題を1問数十分で処理できるとしており、同財団は検証AIエージェントのスケール化に応用する構えだ。今後は暗号分野の数理検証やAIエージェントの行動検証の実装面での成果が焦点となる。

source: PR TIMES

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