和歌山工業高等専門学校などの国際共同研究で、ベトナムでは食用として消費される海棲の巻貝(腹足類)が50種以上にのぼることが、博物館標本のDNA解析(ミュゼオミクス)から分かりました。成果は学術誌「Future Foods」令和7年12月号に掲載されています。

解析対象は、東京大学総合研究博物館に収蔵され、ベトナム各地の魚市場で集められた標本です。日本ではサザエやアワビなど少数種が一般的なのに対し、ベトナムでの多様な利用実態を数値で示しました。研究では、流通名と実際の種がずれる可能性を踏まえ、検証可能な標本と参照用DNA配列データをセットで整備し、資源管理や食の安全に必要なトレーサビリティ(生産・流通の追跡可能性)強化の土台を提示しました。今後は参照データベースの精度向上と運用が進めば、監視や意思決定の科学的根拠が厚くなるとみられます。

【展示情報】食の貝

会期 令和7年11月20日〜令和8年3月31日

会場 東京大学総合研究博物館 スクール・モバイルミュージアム(東京都文京区)

https://www.bunkyo-tky.ed.jp/ed-center/index.cfm/7,html

source: PR TIMES

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