福島県会津若松市の高齢者27人が、酸素濃度16.4%(標高約2,000m相当)の環境下で心拍数90拍/分未満を目安に週2回・1回約60分の運動を1年間続け、睡眠やメンタル指標などで良好な変化が確認されました。低酸素群15人、通常酸素で同一運動の群5人、運動なしの対照群7人で比較し、低酸素群では収縮期血圧が129±17mmHgから120±11mmHgへ有意に低下(p=0.015)しました。睡眠はPSQI(睡眠の質の質問票)と、アクチグラフ(活動量計)で睡眠効率向上や中途覚醒時間短縮が示され、抑うつ傾向の指標GDS-15やQOL(生活の質)に関するスコアも運動実施群で改善傾向がみられました。酸化ストレス指標d-ROMsと抗酸化能BAPのバランスも運動継続2群で良好化し、負担が小さい運動でも健康維持に寄与する可能性が示されています。研究内容は2025年7月の欧州スポーツ科学会(ECSS 2025、イタリア)で発表され、今後は群間人数差などの課題を踏まえ、低酸素条件の効果をより厳密に検証する追加研究と地域モデルの整備が進む見通しです。

source: PR TIMES

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