台湾の機械産業動向を追う「ワイズ機械業界ジャーナル」2025年12月第5週号は、鴻海精密工業の重点領域がAIサーバーとヒューマノイドに移り、2025年7~9月期のサーバー・データセンター関連の売上構成比が42%と、スマートフォン関連を初めて上回ったと報じました。
同誌は、専用機械設備に当たる「未分類その他専用機械設備製造業」がAI投資や台湾企業のUターン投資、米国向け設備需要を追い風に拡大した点も分析しています。2025年1~9月の生産額は前年同期比12.45%増、販売額は同14.78%増で、「その他専用機械および部品」は米国向け大量受注により販売額が23.64%増と伸びました。一方、製紙機械など従来型分野は関税戦争や需要低迷の影響が出たとしています。
輸出では、2025年1~10月の同産業の輸出額が前年同期比136.4%増となり、米国向けは約6倍に拡大しました。世界的大手の米国内工場建設に伴う設備需要が背景で、ASEANやEU向けも堅調な一方、中国向けは輸入代替政策の影響で減少したと整理しています。車載分野では輝創電子がホンダ向けバックレーダーを年間1,500万個独占供給し、同製品が売上の約4割を占めるとされます。今後は米国投資とAI需要の持続性、地政学・関税リスクが投資判断の焦点になりそうです。
