アドビは11日、ChatGPTのデスクトップ版・ウェブ版・iOS版で、Adobe Photoshop、Adobe Express、Adobe Acrobatの提供を世界同時に開始しました。ChatGPTの週間利用者数は8億人とされ、対象ユーザーは基本機能を無料で利用できます。Android版ではAdobe Expressが先行対応しており、PhotoshopとAcrobatも近日中に提供予定としています。

今回の対応により、画像編集ソフトのPhotoshop、デザインツールのExpress、PDF編集ソフトのAcrobatというアドビの主力3製品を、ChatGPTのチャット画面上から直接操作できるようになります。ユーザーは「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかすのを手伝ってください」といった自然な文章を入力するだけで、背景ぼかしや明るさ・コントラスト調整、オブジェクト編集、各種エフェクトの適用などを行えます。

Adobe Expressでは、数多くのテンプレートから招待状やSNS画像などを選び、テキスト差し替えやアニメーション追加をチャット内で完結可能です。Acrobatでは、PDFのテキスト・表の抽出、複数ファイルの統合、圧縮やフォーマット変換など、文書作業の基本機能を維持したまま、対話形式で操作できます。

アドビは、AIエージェント技術やModel Context Protocol(MCP)といった基盤技術、PDF向けの「Adobe Acrobat Studio」や各アプリのAIアシスタント開発など、対話型AIとの連携を強化してきました。今回はChatGPTとの統合により、アドビ製品の未経験者やライトユーザー層にまで利用を広げる狙いがあるとみられます。

今後、Android版で3製品すべてが利用可能になれば、モバイル環境での写真編集や資料作成の需要取り込みが進むと予想されます。一方で、無料提供範囲や有料版への誘導設計、他社クリエイティブツールとの競争がどのように進むかが注目されます。

source: PR TIMES

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