東京都大田区の株式会社ケミトックスは、次世代型のペロブスカイト太陽電池について、試作から性能評価までを一括で請け負う試作サービスを本格的に始動しました。社内で作製したセルでは、平均発電効率19.7%の再現性あるサンプルを確立しており、このプロセスを基盤に材料メーカーなどからの受託開発に対応します。
ペロブスカイト太陽電池は、シリコン系と比べて軽く曲げやすく、屋内の弱い光でも発電できることから、曲面や屋内用途への活用が期待される一方、耐久性や大面積化、低コスト化が商用化の課題となっています。研究レベルでは26%超の変換効率が報告されていますが、市販品は国内ではまだ登場していません。ケミトックスは2022年からインクジェットプリンタやスピンコーターを導入し、東京大学・瀬川浩司教授の協力のもと研究開発を進め、封止材やバリアフィルムなど各種部材を組み合わせた評価用モジュールを安定して作製できる体制を構築しました。
同社はさらに、試験機関としては初導入となるLED定常光ソーラシミュレータと、最大100V対応の最新I-Vテスターを整備しました。複数波長のLEDを組み合わせたソーラシミュレータは、最大照射面積500mm×500mmでクラスACA、中心300mm×300mmでクラスAAA(国際規格IEC60904-9:2020準拠)の太陽光近似光を照射でき、実際の屋外利用に近い条件で特性評価が可能です。従来の結晶シリコン系太陽電池で蓄積した耐久試験のノウハウを生かし、光照射による長期劣化試験にも対応します。
サービス開始にあわせ、2026年2月4日には「ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて その試作と評価」と題した有料ウェビナー(参加費6,600円、90分)も開催されます。同社は、材料メーカーや新規参入企業の開発・マーケティングを支援することで、国内のペロブスカイト太陽電池関連産業の立ち上がりと、将来の本格商用化のスピードアップにつながる可能性があるとみています。
【セミナー情報】
ウェビナータイトル:ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて その試作と評価
日時:2026年2月4日(水)10:30~12:00
講師:服部優佑(ケミトックス先端グループ ペロブスカイトチームリーダー、博士(工学))
参加費:6,600円(税込)
公式サイト:https://www.chemitox.co.jp/news/seminar/2025_seminar_15
source: PR TIMES
