ビジュアル素材大手のゲッティイメージズ ジャパン株式会社(東京都渋谷区)は、2024年11月13日にマーケティングワークショップ&交流会「ブランド・コネクト Vol.2」を東京都千代田区のザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町で開催しました。参加者には、72%のブランドが人物描写において多様性を求め、63%が「つながり」の表現を重視しているなど、最新の調査データが共有されました。

イベントでは、同社のクリエイティブインサイツディレクターらが登壇し、ブランドが求めるコンテンツ動向を解説しました。ブランド独自の写真や動画を制作する「カスタムコンテンツ」は、スピーディーかつコスト効率よく制作でき、商品やブランドカラーを撮影に組み込める点が特徴とされました。一方で、カスタムコンテンツの発注において「映像」は16%にとどまる一方、6割以上のマーケターが「ソーシャルメディアのショート動画が最もエンゲージメントが高い」と回答しており、需要と供給のギャップが指摘されました。

人物表現では、多様性や真正性(リアリティや誠実さ)、ポジティブなトーンが重視され、テクノロジー業界では未来志向、ヘルスケアでは安心感、金融では自信とエンパワーメントなど、業界別のニュアンスの違いも紹介されました。構図も、テクノロジーや消費財での動きのあるドキュメンタリー風、ヘルスケアでのクローズアップ、金融でのアイレベルなど、用途に応じた使い分けが整理されています。

「消費者との信頼構築のためのチャンス」というテーマでは、ウェルネスとサステナビリティが鍵とされました。「未来のことを考えると不安になる」と答えた消費者は世界で50%、日本では80%に上り、92%が「身体と心の両方のケアが同じくらい重要」と回答したデータが示されました。また、カスタムコンテンツの撮影依頼の35%でサステナビリティへの配慮が求められ、消費者の約7割が企業や政府の環境対応をビジュアルで具体的に見たいと考えていること、84%が「企業には社会と環境を改善する倫理的責任がある」と考えていることも紹介されました。

事例紹介では、SOMPOホールディングス株式会社が、2024年度のグループCEO就任とパーパス再定義に合わせてコーポレートビデオを刷新した経緯が語られました。既存ビデオの評判の悪さや、保険・介護事業の表現上の課題を背景にカスタムコンテンツを採用し、国内外の多様な事業にあわせた細かな指示や、ブランドカラー・ロゴを反映した「ブランドらしい」ビジュアル制作が可能になったといいます。テーマ設定段階から相談できたことで、「欲しい素材」が明確でなかった部分の整理にもつながり、モデル許諾により社内で長期利用できる点や、想定外の有用な素材との出会いもメリットとして挙げられました。

同社は今後、新本社の大画面で流す動画制作などでカスタムコンテンツやカスタムソリューションの活用を広げる計画です。マーケティング現場では、多様性やサステナビリティ、ウェルネスといった価値観を、どのようなトーンや構図で映像・写真に落とし込むかが一層重要になっていくとみられます。

【イベント情報】

ブランド・コネクト Vol.2

会場名:ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町

住所:東京都千代田区紀尾井町1-2

source: PR TIMES

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