XR・AI企業のジョリーグッド(東京都中央区)は2025年12月、現場の360度映像をビッグデータとして収集・AI解析する産業共創プロジェクト「Multimodal AI Lab(マルチモーダルAIラボ)」を正式に開設しました。同時に、テキスト入力だけで職場の当事者目線(POV)360度画像を生成し、危険予測や生産性などのAI解析結果と経済効果を可視化できる体験ツール「POVワールドジェネレーター v1.0」を無償提供し、週5本まで動画化にも対応するとしています。
生成AIの普及により、多くの企業が同等のツールを使える一方で、約7割のAI導入企業がサービスの「同質化」を課題と感じているとの調査結果が示されています。ジョリーグッドは、この状況で競争優位を生むのは最新モデルそのものではなく、AIに学習させる独自の「リアル現場データ」だとし、撮影効率と情報量に優れる360度映像を軸に据えました。人の視野の約12倍の情報を一度に取得でき、現場の業務ノウハウやプロセスを高密度で記録できる点を強みと位置づけます。
Multimodal AI Labは、製造業や医療、建設などの参加企業が自社現場を撮影・解析し、そのデータをもとに教育パッケージや解析サービスなどの独自デジタル商品を共同開発するプラットフォームです。体験用の「POVワールドジェネレーター」では、「救急センターの研修医」「自動車工場の作業員」といったテキスト入力からPOV画像と360度画像を自動生成し、危険予測スコアや生産性スコア、ROI(投資対効果)の試算をHTMLレポートとして出力できます。生成した360度映像はブラウザ全画面でVR的に再生でき、360度映像未経験の企業でも導入効果をイメージしやすい仕組みです。
同社は現在、教育・技能伝承・業務改善を主な用途としつつ、蓄積した現場ビッグデータを将来的には設計や開発領域にも応用する構想を示しています。各社が自前の現場データ資産をどこまで構築できるかが、生成AI時代の差別化の成否を左右するとの見方もあり、こうしたプラットフォームが業界横断でどの程度普及するかが今後の焦点となりそうです。
【サービス情報】
Multimodal AI Lab 公式サイト
POVワールドジェネレーター 体験ページ
https://multimodal-ai.tech/pov/
source: PR TIMES
