福岡などで食品スーパーを展開するハローデイが、日立製作所と日立ソリューションズ西日本のAI需要予測型自動発注システムを全49店舗に導入し、1カ月あたりの総労働時間を前年比6,837時間削減、残業時間を7.9%減らしたことが分かりました。人時生産性は8.4%向上し、自動発注率は90%以上、欠品率も6.99%改善したとしています。

導入したのは、日立のデジタルサービス群「HMAX Industry」の一つである「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注システム」です。デイリー商品やグロサリー、冷凍食品など1店舗平均7,000アイテムを対象に、過去の販売実績に加えて天候や曜日、イベント情報をAIが学習し、店舗ごとの需要を予測します。店舗ごとに異なる売場レイアウトや、取引先ごとの発注ロット、納品条件を加味して発注ロジックを自動調整できる点が特徴です。

背景には、少子高齢化による人手不足や、店舗ごとにコンセプトが異なる「アミューズメントフードホール」型店舗ゆえの発注業務の属人化がありました。2023年から検討を開始し、2024年1月に5店舗でのパイロット導入を経て、2025年6月に全店稼働を開始しました。担当者からは「心配性発注が減った」との声もあり、在庫の最適化だけでなく心理的負担の軽減も確認されています。

ハローデイは今後、グループの「ボンラパス」6店舗への展開に加え、生成AIによる予測精度の向上や社内Q&Aチャットボットの導入を検討しています。日立は店舗から物流センター、製造現場までのデータをつなぐことで、小売業のサプライチェーン全体の最適化と現場の自動化を進める方針です。国内小売の人手不足が続くなか、今回の協業は中堅スーパーによるAI活用モデルとして広がる可能性があります。

source: PR TIMES

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