フィッシュパス(福井県坂井市)は2026年1月、オンライン遊漁券プラットフォーム「FISH PASS」の提携が漁協328団体、河川は販売準備中を含め411河川に拡大したと明らかにしました。電子遊漁券を扱う国内事業者の公開情報を基にした同社調べで、内水面漁協との提携数が最多だとしています。2026年はこのネットワークを基盤に、環境DNAを活用した「生物多様性DX」の社会実装を加速させます。水中に残る生物由来のDNAを「コップ1杯の水」から分析し、生物相を可視化する手法で、従来の目視・捕獲中心の調査に比べて時間とコストの課題を補う狙いです。

遊漁券事業では、2025年の調査で「遊漁券のインターネット購入」の認知率が71.2%となり、認知者の約8割がデジタル購入を利用しました。24時間購入できる利便性に加え、デジタル遊漁券へ死亡・入院・救援者費用などの保険を自動付帯する取り組みを継続し、釣行時の安心も訴求します。

生物多様性DXでは、全国400超の漁協ネットワークを活かした採水(サンプリング)と、特許取得済みの解析レポートにより、企業のESG経営やTNFD対応を支援する方針です。獣害対策への応用も掲げ、魚類に限らず周辺の哺乳類も検出可能な点を踏まえ、秋田県で環境DNAによりクマの生息域を可視化する調査を開始するとしています。

今後は「釣り人の行動データ」と「環境DNAによる生物データ」を掛け合わせ、放流計画やゾーニングなど次世代の河川管理への活用を目指します。遊漁の振興と環境保全をデータで結び、漁協の収益安定化とネイチャーポジティブの両立が実現できるかが焦点になりそうです。

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