フィッシュパス(福井県坂井市)は、環境DNA分析とデジタル技術を組み合わせた「生物多様性DX」の提供を本格化します。川や海、事業所内の池などで採取したコップ1杯程度の水から、生息する魚類などの生物相を検出・定量化し、データを意思決定や説明責任に使える形で提示します。費用は1地点3万円〜(条件により異なる)としています。
背景にはTNFD提言や「30by30」目標など、ネイチャーポジティブ対応の要請があります。一方、従来の生物調査は捕獲や目視が中心で、専門人材が必要なうえコスト・時間負担が大きく、定量性や紙管理による活用のしにくさが課題でした。同社は「測定できないものは改善できない」とし、環境調査を継続モニタリングによる投資へ転換する狙いです。
運用面では、遊漁券販売プラットフォームを通じて連携する全国411の漁協ネットワークを活用し、広域で迅速なサンプリングを可能にします。分析は大学との共同研究を経て設立した自社分析センターで行い、コストとスピードの優位性をうたいます。結果は特許取得の「DX解析レポート」として、地点別の分布や時系列変化を地図上で可視化し、専門知識がなくても把握しやすい形で提供します。
活用先は企業のESG経営やTNFD対応、自治体の環境保全・獣害対策、防災、教育機関の探究学習などを想定します。秋田県では河川水からクマの生息域・侵入状況を面的に把握する調査を開始したといいます。今後は、取得データの蓄積による地域単位の環境管理や、企業の環境インパクト評価の高度化に広がるかが焦点です。
