クボタ、クレアトゥラ、東京ガスの3社は2026年3月13日、フィリピン共和国パンガシナン州で進めてきた水田の水管理手法「AWD(間断灌漑)」を用いるJCMプロジェクトについて、共同実証の結果を踏まえ本格事業化フェーズに移行することで合意しました。対象は2025年末時点で約14,000haと、AWDを使う民間JCMプロジェクトとして最大規模だとしています。
AWDは田んぼを常時湛水にせず一定期間乾かす運用で、メタン排出を平均45%削減できるとされます。メタンは二酸化炭素の28倍の温室効果があり、フィリピンでは水田由来メタンが温室効果ガスの約20%を占める推定です。灌漑用水も最大30%減らせるとされ、脱炭素と水資源の効率化の両面が狙いです。
事業では灌漑局など現地機関と連携して農家支援を行い、約10,000軒の参加を想定します。農家向けトレーニングやベネフィットシェアリング(収益配分)の導入に加え、デジタルMRV(測定・報告・検証)プラットフォーム「LynxAWD」で省力化と透明性を高め、大規模運用につなげる計画です。期間は2023年9月~2036年12月で、現在は第三者機関による検証の最終段階にあります。
今後は検証を経てJCM合同委員会の承認・登録を目指し、農業分野で初の民間JCMプロジェクトとして登録される見通しです。対象面積は2029年までに約40,000haへ拡大し、JCMクレジットの安定的な創出・供給を進めるとしています。
【関連リンク】
詳細URL(LynxAWD):https://www.creattura.com/news/260226
参考(間断灌漑):https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/niaes/2017/niaes17_s12.html
参考(国際農研):https://www.jircas.go.jp/ja/publication/gars-j/2
