東京科学大学発ベンチャーの東京医歯学総合研究所(東京都)が中心となる共同プロジェクト「Voice Retriever」が、内閣府後援の「第8回日本オープンイノベーション大賞」にノミネートされました。対象は2026年1月16日時点で15件で、同プロジェクトは口腔内のわずかな動きを音源に変えるというマウスピース型人工喉頭の開発と社会実装が評価されたとしています。同社によると、同製品は2025年4月に販売開始し、開発から現在までに累計200名が「自分の声」を取り戻した実績があるといいます(同社調べ)。背景には、日本で年間約4,000人が喉頭がんによる喉頭摘出やALS(筋萎縮性側索硬化症)、人工呼吸器の使用などを契機に失声する現状があり、既存の代用発声法は習得に数カ月の訓練が必要、音質に課題があるなどQOL低下につながりやすい点が課題とされています。今回の取り組みは、東京科学大学の特許技術を核に、スタートアップが事業化を担い、大手電機の回路設計、電線企業のケーブル、医療機器企業のスピーカー、全国の歯科クリニックや技工所による製作体制など、異業種で開発から提供までをつないだ点が特徴です。今後は2027年に医療機器としての薬事申請、2028年に海外展開を開始し、世界500万人の発声障害者への普及を目指す計画で、AIによる自然な声への変換や歌唱、多言語変換ソフトの開発も検討しています。

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