ローム株式会社は、車載用40V/60V MOSFETの新たなパッケージとして、外形4.9mm×6.0mmの「HPLF5060」をラインアップに追加し、2025年11月から順次量産を開始しています。サンプル価格は1個あたり500円（税抜）で、コアスタッフオンラインやチップワンストップなどのインターネット販売にも対応します。
HPLF5060は、従来主流のTO-252パッケージ（6.6mm×10.0mm）と比べて面積ベースで約半分のサイズとなり、車載ECUなどの基板スペース圧縮に貢献します。両側に外側へ広がる「ガルウィングリード」端子形状を採用し、半田付け状態の視認性や熱放散を高めることで、狭ピッチ実装でも信頼性向上を図っています。さらに、チップとリードフレームを銅製クリップで直接つなぐ「銅クリップボンディング」により、大電流に対応しつつオン抵抗低減も狙った構造です。
用途は、主機インバータ制御回路、電動ポンプ、LEDヘッドライトなど車載電装向けを想定しており、同社の省エネ志向パワーMOSFETブランド「EcoMOS」シリーズとして展開されます。背景として、車載用低耐圧MOSFETでは5050クラス以上の小型パッケージへの移行が進む一方、端子間距離の短さやリードレス構造による実装不良リスクが課題となっていました。ロームは新パッケージで、小型化と実装信頼性の両立を図る狙いです。
今後は、このHPLF5060パッケージでの機種拡大に加え、3.3mm×3.3mmのより小型なDFN3333パッケージを2026年2月頃に量産開始予定としています。また、9.9mm×11.7mmのTOLGパッケージの開発にも着手しており、高電力対応と高信頼性を備えたパッケージの選択肢拡充が、電動化が進む車載市場での採用拡大につながるかが注目されます。
【商品情報】
車載用40V/60V MOSFET HPLF5060パッケージ品
量産開始時期：2025年11月より順次
サンプル価格：500円/個（税抜）
販売チャネル：コアスタッフオンライン、チップワンストップ ほか
製品詳細：https://www.rohm.co.jp/news-detail?news-title=2025-12-09_news_mosfet&defaultGroupId=false
source: PR TIMES