2025年12月2日、東京ビッグサイトの「アグリビジネス創出フェア2025」で、ワタミファーム 営農生産部 部長の岡田拓也氏が登壇し、食品ロス削減と未利用・規格外農産物の価値創出に向けた研究成果を紹介しました。取り組みはムーンショット目標5(2050年)に沿います。

同社は2002年に有機農業を開始し、千葉・長野・群馬・北海道の4地域で生産。現場では規格外が恒常的に生じ、選別や保管の負担、豊作期の相場安による余剰が課題とされました。栄養価の高い旬作が価格下落で流通しにくい点も示されました。

共同研究の「低温凍結含水ゲル粉末化技術」は、水分を含む作物を低温で凍結・ゲル化後に粉末化する加工法です。品質を保ちながら保存性と輸送効率を高め、規格外品を機能性粉末や加工原料へ転用する可能性を示しました。冷熱技術を核に、未利用資源を循環させる仕組みづくりを目指します。

海外展開では有機認証で付加価値化を図り、価格変動の影響を受けにくい加工需要で農家所得の安定化を狙います。一方、加工コストやエネルギー負荷の検証など、社会実装に向けた課題も整理されました。

冷熱技術を柱にした循環型フードシステムの普及は、食品ロス削減と地域経済の両立に資する可能性があります。今後は実証データの蓄積とサプライチェーン連携の拡大が鍵です。

【イベント情報】

イベント名 農林水産省主催「アグリビジネス創出フェア2025」

登壇日 2025年12月2日

会場 東京ビッグサイト

登壇者 ワタミファーム 営農生産部 部長 岡田拓也

所在地 東京都大田区羽田 1-1-3

設立 1986年5月

ワタミ公式サイト http://www.watami.co.jp

source: PR TIMES

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