井関農機は、欧州で高評価を得てきた乗用草刈機「SXG216」を国内市場向けに投入し、ゴルフ場や空港、高速道路、公園などで高まる乗用草刈機需要に対応します。国内では既に大型の「SXG327」を展開しており、第2弾としてより小型でシンプルなモデルを追加することで、幅広い現場での芝草管理の効率化を図るねらいです。

SXG216は、最大出力13.6馬力の高耐久ディーゼルエンジンを搭載し、小型乗用機ながら粘り強い作業性能を持つのが特徴です。走行には反応の早いHST(油圧式無段変速)トランスミッションを採用し、前後進の切り替えは2つのペダルで素早く行えるため、狭いエリアでの細かな切り返し作業をしやすくしています。本体と集草機が一体となったコンパクトな設計に加え、ショートホイールベースとショートオーバーハングにより、障害物の多い場所でも取り回しやすいとしています。

刈幅は40インチ(1,016mm)のセンター排出方式で、ブレードの重なり(オーバーラップ量)を大きく取ることで刈り残しを抑えます。320Lのダンプ式コレクタ(集草コンテナ)を搭載し、連続作業性を高めました。排出時の地上高が高いため、既に排出した草を引っかけにくい構造で、コンテナの開閉は電動シリンダーにより満杯時でも少ない負担で操作できます。

安全面では、作業者が座席から離れると自動でエンジンが停止するシートスイッチ、転倒時の作業者保護を想定したロプス(転倒時保護構造)と巻き取り式シートベルトを標準装備し、シートベルト着用を促すリマインダー機能も備えます。さらに、乗り降りを補助するハンドグリップや、モーアデッキ内部をホースで洗浄できる洗浄用コネクタなど、メンテナンス性の向上にも配慮しています。希望小売価格はSXG21674RSA2Sがオープン価格で、詳細仕様は公式サイトで公表されています。

同社は1967年にフランス代理店契約を結んで以降、欧州で約60年にわたり景観整備ビジネスを展開しており、SXG216は欧州の公共施設などで芝草管理を請け負うプロユーザーから高い評価を受けてきたモデルです。今回の国内投入は、欧州で実績のある機種をそのままではなく、日本の市場環境や作業現場の広さに合うコンパクト機として展開することで、自治体や民間管理会社など多様なユーザー層の需要取り込みを狙う動きとみられます。

今後は、先行するSXG327とのラインナップ構成により、大規模なゴルフ場から中小規模の公園・施設まで、現場規模や用途に応じた提案を強化する方針とみられます。国内では労働力不足を背景に、乗用草刈機による省力化ニーズが一段と高まることが見込まれるため、同社の草刈関連事業がどの程度シェアを伸ばせるかが焦点となりそうです。

【商品情報】

SXG216 特設ページ https://products.iseki.co.jp/mower/sxg216

source: PR TIMES

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