中国・深圳のロボット企業EngineAI(众擎)は、フルサイズ汎用人型ロボット「T800」の量産販売を開始し、これまでに累計100億元(約2,100億円超)の資金調達を完了したと明らかにしました。直近ではA1+およびA2ラウンドを同時に実施し、産業化と技術開発を支える大型の資本基盤を確保しています。

A2ラウンドでは、既存株主の黄浦江資本が主導し、河南投資集団・匯融基金および華控基金が共同で出資しました。さらにStone Ventureや達晨創投など既存投資家の追加投資に加え、国中創投、CCTV基金、南山戦新投、財鑫資本、星源資本、匯勤資本の6社が新たに参加し、国家級ファンドや地方国有資本、産業資本などが多層的な支援体制を形成しています。

今回正式リリースされたT800は、フルスタック自社開発の技術を採用し、ピークトルクや長時間稼働性能、人手に近い精密な作業が可能な「巧手」などで性能を高めました。成人男性の約90%を上回る身体性能をうたうことで、人型ロボットが「玩具」にとどまらず、生産現場で使えるツールになり得ると位置づけています。また、独自の「具身大脳技術」により、挿抜や組立といった工業タスクを高い成功率で実行し、周囲の環境変化にも強いと説明しています。

ラインアップはBasic、Open Source、Pro、Maxの4種類で、研究・教育、巡回点検、商業サービス、エンタメ、物流、工業協働などの用途を見込んでいます。生産は深圳・南山区の工業区に自社ラインを構え、河南省鄭州市にグローバル製造センターを建設予定とし、量産体制の拡充を進めています。

同社は今後も本体設計や運動制御、AI制御の高度化を進め、音声指示からタスク計画、シミュレーション、実機動作までを一体で構築できる強みを生かし、異なる機種や産業分野への技術移植を加速させる方針です。多様な投資家やサプライチェーンとの連携を通じ、人型ロボット市場の拡大と実運用の広がりがどこまで進むかが今後の焦点となります。

source: PR TIMES

Share.