データサイエンス企業のLogian(福岡市)は、老舗菓子店「お菓子の日高」(宮崎市)と九州大学大学院数理学府・川野秀一研究室、宮崎大学教育学部・山口尚哉研究室と、因果分析AIを活用した食品ロス削減の共同研究を始めました。消費期限が短い生菓子を中心に、売れ残り(商品廃棄ロス)を最小化しつつ収益性の向上も狙います。

製菓業界では、日々の製造数が熟練者の経験や勘に依存しやすく、天候や周辺イベントなどで需要が変動すると読み違いが廃棄につながります。原材料高騰もあり、廃棄の経営インパクトが増していることが背景です。

今回の研究は、気温などと売上の「相関」に基づく従来型予測にとどまらず、「なぜ売れた(売れなかった)のか」を因果分析で分解し、複数要因(例:気温、給料日、周辺行事)が販売数に与える影響度を特定する点が特徴です。因果分析は、結果に対してどの要因が原因として効いたかを推定する手法で、現場が予測の根拠を理解しやすくする狙いもあります。

役割分担は、Logianが因果分析モデルの構築とデータ解析、施策提言を担当し、お菓子の日高が販売データや廃棄データを提供して店舗で実証します。九州大と宮崎大は解析結果への学術的助言や成果の検証・評価を担い、Logian代表の納富崇氏は2026年1月時点で九州大学大学院に在籍しているとしています。

今後は、製造数決定の負担をデータで支援し、職人が商品づくりや新商品開発、技術継承に注力できる環境づくりにつなげる方針です。宮崎の実データを基に、飲食・製菓業界へ応用可能なロス最小化モデルとして横展開できるかが焦点となります。

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