兵庫県姫路市は、重層的支援体制整備事業の一環として、生成AIを活用した「福祉つながる相談窓口」を2025年12月1日に本格運用します。2024年10月17日〜12月17日に行った実証実験では、2カ月で521件の相談が寄せられ、相談件数は従来比約3倍、AIとの総対話時間は192時間に達しました。利用者の過半数が10〜30代で、40代以上が中心だった従来窓口では届きにくかった層への支援につながったとしています。

重層的支援体制整備事業は、介護・障害・子育て・生活困窮など分野ごとに分かれていた支援を一体的に行う国の制度で、8050問題やひきこもりなど複合課題への対応が目的です。姫路市の調査では、市民の約3割が「問題を抱えているが、どこにも相談していない」と回答。既存窓口は40代以上が中心で、若年層や夜間・休日の相談ニーズに対応しきれていない課題が浮かび上がっていました。

新窓口は24時間365日対応し、臨床心理士や言語学者が監修した「傾聴AI」が共感的な対話を行います。相談内容に応じて、既存の「福祉つながる窓口」や専門機関へ案内する機能も備え、AIが一次対応を担うことで、職員は複雑なケースや伴走支援に注力できる体制を整えます。実証ではユーザー満足度70%、リピート率24%と一定の評価が得られており、姫路市は今後、蓄積された相談データを分析して、潜在的なニーズや地域課題を把握し、全国的な課題である自治体の相談体制強化のモデルケースとなるかが注目されます。

【サービス情報】

福祉つながる相談窓口(生成AI版)

対象:姫路市民(年齢・国籍不問)

開始日:2025年12月4日(木)

対応時間:24時間365日

source: PR TIMES

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