岡山大学で2025年11月21日、国連貿易開発会議(UNCTAD)と共同運営する短期プログラムで来日したフィリピン出身の若手女性研究者Loraine Kay D. Cabral氏(フィリピン科学技術省・健康推進評議会 科学技術フェローⅡ)が那須保友学長を表敬訪問し、研究テーマの「バイオバンク」を中心に意見交換しました。面会には受け入れ教員の森田瑞樹教授(学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域)が同席しました。バイオバンクは、同意のもとで集めた血液などの生体試料や医療・健康情報を保存し研究に活用する仕組みで、疾患研究や医療の高度化に役立つ基盤です。Cabral氏は、フィリピンでは台風など自然条件の違いに加え医療情報の運用が紙カルテ中心であるなど、日本と同じ方式をそのまま導入しにくい課題があると説明した一方、帰国後にフィリピンのバイオバンク発展へ貢献したいと述べました。同日には学長らとのランチミーティングも行われ、岡山後楽園や岡山城の訪問、着物体験や抹茶体験など文化交流も実施されました。岡山大学とUNCTADはSDGsに向けた科学技術イノベーション人材育成を目的に連携しており、今回の対話が今後の共同研究や制度設計の知見共有につながるかが焦点になりそうです。
