高知工科大学の研究チームは、ガスアトマイズ法で作製したCa–25 at.% Mg(Ca:Mg=3:1)合金粉末に水を加えるだけで、常温でも高効率に水素を生成できることを確認した。25℃の水100mLに粉末1gを投入すると、加水分解がほぼ完全に進行し、約10分で水素量(補正後)約737~760mL/gを得た。60℃では反応がさらに進み、最大約835mL/g(未補正)に達したという。粉末は直径約6~65µmの球状で酸化が少なく、Caリッチ相とMg2Ca相がナノスケールで緻密に分散していた。研究チームは、この微細構造が水の浸透経路を短縮し、反応を継続させることで効率向上に寄与した可能性があると説明する。水素は利用時にCO2を排出しない一方、貯蔵・輸送の難しさが課題で、必要時にその場で作る方式が選択肢になる。今後は海水利用時の影響、長期保存安定性、量産時の安全性とコストを評価し、携帯型水素供給装置や緊急用電源ユニットなどへの応用を検討する。成果はInternational Journal of Hydrogen Energyに2026年1月1日付で公開された。
