滋賀県彦根市で、市民からの問い合わせ業務をAIで効率化する実証実験が始まりました。生成AIソリューションを手がけるアンドドット株式会社(東京都渋谷区)が提供する対話型システム「Ork for 行政」を用い、当面は一般公開せず、市職員のみが利用して回答精度や運用負荷を検証します。

同市とアンドドットは「地方自治体業務の高度化に関する連携協定」を締結しており、本プロジェクトはAI人材教育に続く第2弾です。背景には、約11万人の市民を抱える中で、自治体サイトの情報が探しにくく電話・窓口に問い合わせが残る課題と、膨大な掲載情報の鮮度を広報担当者だけでは維持しきれないという構造的問題があります。

Ork for 行政は、自治体ホームページのURLを登録するだけでAIが自動で全ページを巡回・学習し、職員が個別にQ&Aやシナリオを作成する必要がない点が特徴です。将来の市民向け公開を見据え、24時間365日、最新情報に基づき回答できるか、市民ニーズの傾向分析やリンク切れ検知などが政策立案やサイト改善に役立つかを、実際の庁内利用を通じて確認するとしています。

今後は実証結果を踏まえて、市民向け公開の可否や適用範囲の拡大、他自治体への展開などが検討される見通しであり、自治体DXの具体的な成果が問われる段階に入ります。

source: PR TIMES

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