愛知県小牧市で家庭などから回収した廃食用油が、航空機向けの国産SAF(持続可能な航空燃料)の原料として活用されます。小牧市、中部国際空港、日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの5者は2025年12月11日、廃食用油の資源化促進に関する協定を締結しました。尾張地域で、市民参加型の仕組みとして廃食用油をSAFへ循環させる協定は初の事例です。
中部国際空港は、廃食用油を国産SAFに循環させる「Fry to Fly Project」や、有志団体「ACT FOR SKY」に参加し、空港発の脱炭素化を進めてきました。今回の協定では、小牧市が市役所や市民センターなどで回収した廃食用油をレボインターナショナルが収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYの堺市のプラントに搬送します。同プラントは2024年12月に完成し、年間約3万キロリットルのSAF供給を目標に、2025年4月から出荷を開始しています。
小牧市は2006年から家庭や給食センター、保育園などで廃食用油の回収を続けており、2024年度の回収量は3万755リットルでした。これまでは主に石鹸向けにリサイクルしてきましたが、用途を限定せず、新たにSAFの原料としても活用します。製造された国産SAFは、当面は中部国際空港を含む国内主要空港発の国際線旅客機や貨物機向けに使われる見通しです。
今後5者は、市民への情報発信や回収拠点の活用を通じて廃食用油の回収量拡大と意識啓発を進め、国産SAFの需要増加を見据えたサプライチェーン整備と、カーボンニュートラル社会の実現につなげたい考えです。協定に基づく取り組みの成果次第では、他自治体への横展開も期待されます。
【プロジェクト情報】
Fry to Fly Project:使用済み食用油由来SAFで航空機を飛ばすことを目指す資源循環プロジェクト
SAFFAIRE SKY ENERGY事業:廃食用油のみを原料とする国産SAF大規模生産(年間約3万キロリットルを目標)
source: PR TIMES
