広島大学などの共同研究チームは、新ポリマー半導体「PTNT1-F」を用いた有機薄膜太陽電池(OPV)で、電圧損失を従来比で最大30%下げつつ、電荷生成率を最大10%高めたと報告しました。無輻射電荷再結合に起因する電圧損失(ΔVnr)は0.18Vで、ベンチマーク材料の0.20〜0.23Vより小さい数値です。

研究は2026年3月23日19時10分に発表され、成果は同日19時(日本時間)にCommunications Materialsへオンライン掲載されました(DOI: 10.1038/s43246-026-01115-y)。解析では、分光測定(広島大学、京都大学、理化学研究所)、電子顕微鏡観察(東レリサーチセンター)、量子化学計算(筑波大学)を組み合わせ、材料と素子内の状態を多面的に検証しています。

OPVは軽量・柔軟で塗布プロセス製造が可能な一方、電圧損失が大きく高効率化の障害となり、電圧損失を抑えると電流が下がりやすい「電圧」と「電流」のトレードオフが課題でした。今回、PTNT1-Fの剛直なポリマー骨格が正孔の非局在化(電荷が分子内で広がる状態)を促し、エネルギー差(ΔE)が小さくても電荷解離を効率的に進められることが、トレードオフ打破の起源だと結論づけました。

今後は、ポリマー半導体の分子構造最適化により、電圧損失をさらに抑えながら高電流を両立する高効率OPVの実現が期待されます。

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公式HP:https://www.toray-research.co.jp

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