神戸大学や岡山大学など6機関の研究グループは、水の消費を抑えつつ高い生存率を示すコムギTILLING変異体「WS1」を解析し、乾燥耐性を得る仕組みを明らかにしました。成果は学術誌「Plant, Cell & Environment」に2026年4月19日付で掲載され、DOIは10.1111/pce.70546です。

WS1は気孔を閉じて水の損失を減らす性質が確認されました。気孔は葉の表面にある孔で、蒸散(水分の放出)とガス交換を担います。干ばつ下での水利用を抑えることで、生存に有利に働くと位置づけられます。

さらに研究では、成長より生存を優先する方向に代謝やタンパク質リン酸化(タンパク質機能を調節する化学修飾)の組み替えが起きることを示しました。乾燥応答で中心的な植物ホルモンのABA(アブシジン酸)への強い依存が必須ではない点も確認したとしています。

干ばつの深刻化が進む中、水を使いながら作物が生き延びる仕組みの理解は食料生産上の課題です。研究グループは、WS1で得られた「生存優先」の適応戦略の知見を、将来の干ばつに強い作物開発へ応用することが期待されるとしています。

【関連リンク】
詳しい研究内容(PDF):https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260508-1.pdf
大学ページ(リリース):https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1542.html

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