NII、NTT、NTT東日本は、通信状況に応じて光伝送レイヤを自動設計・制御し、波長変換を含む光波長パスの経路切替・追加を短時間で行う技術を実証しました。東京都内のデータセンタ3拠点(A・B・C)を結ぶ構成で、障害時の迂回を開始から10分以内に完了し、全トラヒックの転送回復を確認しています。

背景には、学術情報ネットワークSINETが全国を400Gbpsで結び、大容量データ転送の信頼性が重要になる一方、災害で光ファイバ断が増え、手動の復旧では予備経路の探索・評価に数時間かかる課題があります。実験ではNIIのIPコントローラとNTTのAPN(All-Photonics Network)コントローラが連携し、迂回に最適な光信号レートと波長を自動設定。A-C断を想定し、200Gbpsから100Gbpsへ落としてA→B→Cへ切替後、波長変換を使い100Gbpsの追加パスを自動設定して不足分を補いました。別の検証では、100Gbpsから200Gbpsへのオンデマンド増速要求に対し、100Gbpsパス追加とトラヒック分散で全転送を成立させました。今後、光伝送ネットワークへ適用が進めば、災害時の迂回迅速化と研究・通信基盤の高信頼化が期待されます。

source: PR TIMES

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