熊本大学と北海道大学の研究グループは、有機–無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶で、遅延発光と二色発光の両方を示す材料を開発し、緑色発光と黄色発光が同一組成でも異なる結晶構造に由来することを明らかにしました。成果はMaterials Horizonsに2026年1月29日に早期オンライン公開され、DOIは10.1039/D5MH02322Jです。

研究では、同じ化学組成のまま結晶構造が異なる単結晶を作製し、時間分解発光測定で発光機構を検証しました。その結果、緑色は励起子(光で生成した電子と正孔の対)の速い再結合、黄色は自己束縛型励起子(格子のゆがみに捕まった状態)の再結合に対応することを示しました。

有機–無機ハイブリッド材料は発光材料として注目される一方、有害金属の鉛を避けた代替系の探索が課題でした。今回、インジウム系で色と持続時間を原子レベルの構造制御で同時に調整できる可能性を示し、複数の発光特性を統合設計する手掛かりになったといいます。

今後は、光センシングや時間分解分光での信号対雑音比向上、簡易構造の白色光源や色可変LED設計などへの応用が見込まれます。また「異性体」のように構造違いを使い分ける設計概念により、多色発光や遅延発光、強い光物質相互作用を示す新材料探索が進む可能性があります。

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詳細URL https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/20260219

PRTIMES

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