NHK放送技術研究所(技研)は、千葉大学と京都大学と共同で、1つの素子で「発光(有機EL)」と「太陽光発電」を切り替えて使える「発電できる有機ELディスプレーデバイス」を開発しました。発光と発電を両立したデバイスで青色発光まで実現したのは世界初だとしています。成果は2026年1月27日、Nature Communicationsに掲載されました。

発光は電気を光に変え、発電は光を電気に変える逆の過程のため、同一素子で両立しにくいのが課題でした。今回、発光効率と強い光吸収を兼ね備える材料を活性層に用い、素子内部のエネルギーや電荷の挙動を精密に制御することで、発光/発電の切り替え動作を可能にしたといいます。

活性層にはMR-TADF材料(多重共鳴型熱活性化遅延蛍光材料)を採用し、高い色純度と高効率の発光を狙いました。ディスプレー応用を想定し、赤・緑・青(RGB)での発光に成功。発電は青から赤、白色まで、可視光の広い範囲で可能としています。

将来、発電機能付き有機ELディスプレーが実用化されれば、表示部で得た電力の再利用や、災害時など外部電源が乏しい環境での表示につながる可能性があります。今後は高効率化と耐久性の向上を進める方針です。

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