東京都目黒区は2025年12月5日、ドローンスクール東京を運営する株式会社ハミングバード(本社・東京都渋谷区)と「災害時における無人航空機を活用した支援協力に関する協定」を締結しました。災害発生時に同社所属パイロットがドローンを投入し、被災状況の上空調査や捜索、行政機関への映像提供などを行う体制を整えます。
ドローンは道路寸断や火災現場など人が立ち入りにくい場所でも、遠隔操作で安全に情報収集できるのが特長です。2024年の能登半島地震でも活用実績があり、危険度の高いエリアを上空から広範囲に確認できる手段として注目されています。目黒区は武蔵野台地の縁に位置し、急斜面や木造住宅密集地、狭い道路が多いため、土砂災害や延焼・渋滞リスクが指摘されてきました。陸路だけに依存しない空からの初動対応は、防災上の弱点を補う狙いがあります。
協定では、目黒区の要請に基づく被災状況調査や捜索、取得データの区や防災機関への提供に加え、双方の協議で追加業務を定めることも盛り込まれました。平時から訓練や啓発イベントで連携し、11月29日には旧目黒区立第十一中学校の解体工事に合わせ、区・消防署・消防団と合同で大規模な上空情報収集訓練を実施済みです。ハミングバードの災害協定自治体は東京都内11区目で、横浜市や市川市を含め全国で13自治体となりました。
同社は2018年開校の「ドローンスクールお台場本校」を皮切りに、現在は全国11校を展開し、累計6,000人以上の卒業生を輩出しています。国土交通省登録講習機関(登録番号:一等・二等 無人航空機操縦士)として国家資格講習も実施し、災害現場で運用できる人材育成に力を入れています。今後は他自治体への協定拡大や、より高精度な撮影・分析技術の導入が進めば、都市部の広域災害に対するドローン支援ネットワークの構築が一層加速すると見込まれます。
【協定・スクール情報】
協定自治体数:13(東京都11区、横浜市、市川市)
主な業務:被災状況の空撮調査、捜索、行政機関への情報提供
ドローンスクールお台場本校 東京都港区台場1-7-1 アクアシティお台場3F
ドローンスクール新宿 東京都新宿区新宿5-16-4 新宿マルイメン6F
ドローンスクール横浜 神奈川県横浜市中区新港2-2-1 横浜ワールドポーターズ3F
source: PR TIMES
