老朽化した建物を壊さず再生し、CO₂排出削減と長寿命化を両立するリノベーション技術を集めた展示会「第10回 JAPAN BUILD TOKYO-建築・土木・不動産の先端技術展-」が、2025年12月10日~12日に東京ビッグサイトで開かれます。主催者は出展社数550社、来場者数3万6000人を見込んでおり、建設・不動産分野のGX(グリーントランスフォーメーション)加速に向けた商談や情報交換の場となります。

会場では、窓や壁そのものが太陽光で発電する建材一体型ガラスが複数社から紹介されます。ユーナイスの発電装飾ガラスは、透明度や模様を調整でき、屋根へのパネル設置が難しい都市部でも発電を可能にします。AGCの太陽光発電ガラスは、窓やトップライトに組み込みやすく、両面受光タイプは垂直設置にも対応し、オフィスビルなど多様な用途を想定しています。

資源循環型の建材も目立ちます。アサヒ飲料は、自販機で大気中のCO₂を吸収する装置から回収した吸収材を再利用し、原料の90%以上をアップサイクル素材とした床・壁タイルを展示します。通常タイルの約5倍の強度をうたい、防災性能と廃材削減の両立を図ります。昭和造園土木は、芝生に必要な15cmの土壌厚を確保しながら駐車場に緑地を設けるシステムを出展。ヒートアイランド抑制や雨水貯留による防災効果を訴求します。

空間の快適性と環境性能を両立する素材も揃います。全日本畳事業協同組合は、職人技と最新の断裁技術を組み合わせ、複雑な形状に対応するオーダーメイド畳を提案します。バーグマンは、熱と蒸気処理のみで耐候性を高めた自然木材を紹介し、サウナや屋外空間での長寿命化とメンテナンスコスト削減を目指します。ユニオンビズはガラス繊維を含む人工木材を出展し、紫外線や経年劣化に強い外装材としての利用を想定します。

オフィスや住宅の省エネ・健康管理を支える機器も展示されます。シー・エイチ・シー・システムのCO₂モニターは、二酸化炭素濃度と温度・湿度を同時測定し、換気の目安や感染症対策、省エネ運転の指標として活用を狙います。GOOD CREDIT CORPORATIONは、AIと磁気リニア技術を用いた自動引き戸を出展し、従来比で電力と炭素排出量を83%削減できると説明。超静音設計で、商業施設やスマートホーム向け需要の獲得を図ります。

建物の解体・新築から、既存ストックの活用や再生素材の利用へと軸足を移す動きは、国の成長戦略やSDGsとも重なります。展示会で示される技術がどこまでコスト面や安全面の課題をクリアできるかが、今後の普及の鍵となりそうです。自治体やデベロッパー、設備メーカーの採用事例が増えれば、都市全体のCO₂削減と防災力向上につながる可能性があります。

【イベント情報】

第10回 JAPAN BUILD TOKYO-建築・土木・不動産の先端技術展-

会期:2025年12月10日(水)~12日(金)

会場:東京ビッグサイト

主催:RX Japan株式会社

source: PR TIMES

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