岡山大学などの研究グループは、赤潮の原因となる植物プランクトン「ヘテロシグマ(Heterosigma akashiwo)」が海洋細菌を貪食して栄養源とし、増殖できることを明らかにしました。特にポリリン酸を多く含む細菌を食べることで、リン酸塩が少ない条件でも増殖が促進されると示しました。論文はDOI「10.1093/ismeco/ycaf192」として公表されています。
研究を主導したのは岡山大学資源植物科学研究所(岡山県倉敷市)の植木尚子准教授のグループで、広島大学、九州工業大学、水産研究教育機構、岡山大学の研究者らが参加しました。岡山大学(岡山市北区)で2026年2月8日19時10分に公表された内容で、研究成果自体は『ISME Communications』に2025年12月6日付で掲載されています。
背景には、ヘテロシグマ赤潮にはリンなど栄養塩が必要とされてきた一方、発生要因には不明点が多いことがあります。今回、リン欠乏条件下でヘテロシグマがより多くの細菌を貪食すること、さらにポリリン酸(細胞内に蓄えられるリンの貯蔵形態)を多く含む細菌が、リン欠乏条件でもヘテロシグマの増殖を後押しすることを示し、細菌を栄養源として利用する実証が進みました。
今後は、赤潮形成の過程で細菌由来栄養がどの程度寄与するのかを定量的に解明し、赤潮発生メカニズムの理解や予測精度の向上につながるかが焦点になります。研究資金として科研費(21K19148、23K21236、25K02346)やJSTプログラム(989459)も活用されています。
【関連リンク】
詳しい研究内容(PDF):https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20260130-6.pdf
論文URL:https://academic.oup.com/ismecommun/article/5/1/ycaf192/8371785
岡山大学資源植物科学研究所(IPSR):https://www.rib.okayama-u.ac.jp
植物環境微生物学グループ 植物プランクトンチーム:https://www.rib.okayama-u.ac.jp/inv/index-j.html
