福島県郡山市で、鳥の鳴き声などの自然音をAIで自動解析し、生物多様性の変化を常時把握する実証プロジェクトが進んでいます。開発を担うのは社会起業家・清水里香さんによる「Nature AI LUCA」で、返礼品付きふるさと納税型クラウドファンディングを通じて全国から資金を募っています。寄附は専用サイトで個人も可能で、銀行振込は12月15日まで受け付けています。
プロジェクトでは、録音した鳥の声を「スペクトログラム」という音を画像化したデータに変換し、最新の画像認識技術Vision Transformerを応用したAIモデルで種を自動識別します。郡山市はカッコウの飛来地であり、ラムサール条約登録湿地・猪苗代湖を有するなど、国内でも自然環境の変化を科学的に記録する重要地域です。一方で、これまでの陸生鳥類調査は熟練調査員の「耳」に大きく依存しており、高齢化により継続性が課題となっていました。
2025年秋には「こおりやま産業博」で音声解析アプリの試作版を公開し、多くの来場者から関心が寄せられました。今回集まる寄附金は、鳥類識別AIの精度向上や冬季実証の実施、アプリ開発の継続、プロモーションや活動基盤の整備に充てられます。自治体のふるさと納税とAIスタートアップの協働による環境モニタリングはまだ例が少なく、実証の成果次第では、他地域の生物多様性調査や環境アセスメントへの活用拡大が期待されます。
【プロジェクト情報】
郡山市「音声AIによる生物多様性モニタリング」支援プロジェクト
寄附受付サイト https://furusato-forgood.jp/projects/000364
郡山市在住者の寄附には返礼品なし
銀行振込の受付は12月15日まで
source: PR TIMES
