BlueMeme(東証グロース4069)と九州大学による量子AIゲノム解析モデル「QTFPred」が、2025年11月26日付で国際誌Briefings in Bioinformaticsに掲載されました。少量データでも転写因子の主・協調結合を塩基解像度で予測し、従来AIを上回る精度を示したことが報告されています。論文DOIはhttps://doi.org/10.1093/bib/bbaf604。米国人類遺伝学会2025(ボストン)でもポスター採択済みです。

量子機械学習は量子ビットの重ね合わせとエンタングルメントを活用し、情報を並列的に表現・学習する手法です。本研究ではゲノム配列の特徴量化に量子表現を導入し、データが乏しい組織特異的細胞でも汎化性能を確保しました。転写因子は遺伝子のオン・オフを制御するタンパク質で、結合位置の予測精度向上は疾患メカニズム解明や標的探索の基盤になります。

著者は筆頭の松原太一氏、責任著者の長﨑正朗教授らで、協調的結合パターンの新知見も示しました。現段階の実装はGPUによる量子計算シミュレーションで、既存手法とのベンチマークで優位性を確認しています。

今後はATAC-seqによるクロマチン解析や疾患関連領域への適用拡大、実機量子コンピュータでの検証を通じた大規模解析が焦点です。創薬の標的分子探索や個別化医療のリスク予測への展開が期待されますが、量子ハードウェアの成熟とデータ標準化が実用化の鍵となります。

【論文・学会情報】

論文タイトル QTFPred: Robust High-Performance Quantum Machine Learning Modeling that Predicts Main and Cooperative TF Bindings with Base Resolution

掲載誌 Briefings in Bioinformatics(Oxford University Press)

掲載日 2025-11-26

DOI https://doi.org/10.1093/bib/bbaf604

学会 米国人類遺伝学会2025(米国ボストン)ポスター採択

共同研究機関 九州大学 生体防御医学研究所 高深度オミクスサイエンスセンター バイオメディカル情報解析分野 長﨑研究室

企業サイト https://www.bluememe.jp/

source: PR TIMES

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