中国・深圳のロボットメーカー、深圳市众擎机器人科技有限公司は、フルサイズ汎用ヒューマノイドロボット「EngineAI T800」を公開しました。価格は18万元(約360万円)からで、身長1.73メートル、重量75キロと成人に近い体格を持ち、同社は「成人男性平均の90%を超える総合的な身体能力」と位置づけています。
EngineAI T800は、産業現場での「開梱即運用」を掲げた業務用ロボットで、重い物を持ち上げる関節トルクや瞬発力を重視しています。自社開発の関節モジュールは最大450N・mのピークトルクを実現し、全身の関節をアクティブ冷却と高精度な温度制御で管理することで、4〜5時間の連続稼働と高負荷作業を両立させるとしています。
外装には航空機級アルミニウム合金の一体鋳造ボディを採用し、軽量化と剛性を両立。360度LiDAR(レーザー測距)による環境認識とミリ秒単位の環境モデリング、AIによる経路計画により、人や障害物が多い環境での自律移動を想定しています。手には自社開発の多次元知覚型ハンドを備え、繊細な物体把持への応用が狙われます。
同社は、製造工程をフルデジタル化したスマート工場の稼働も開始し、量産体制を整えたと説明しています。基礎版、オープンソースのエコシステム版、Proに相当するシャープ版、最上位のフラッグシップ版の4グレードを用意し、研究用途から工場・倉庫の自動化まで幅広い需要を見込んでいます。
高度な操作ロジックと、現実世界で学習する「エンボディッドAI(身体を伴うAI)」を組み合わせることで、同社は人型ロボットを技術検証から商業実装の段階へ移す転換点になると期待しています。一方で、実際にどの業種・現場で採算が取れる形で導入が進むかは今後の事例次第であり、他社のヒューマノイド開発との競争の中で、価格性能比や安全基準への適合が普及の鍵となりそうです。
【商品情報】
製品名 EngineAI T800
販売形態 基礎版/エコシステム版/シャープ版/フラッグシップ版
価格 18万元から
稼働時間 1回の充電で約4〜5時間(全固体電池)
source: PR TIMES
