コネクテッドカー向けオープンソース基盤を推進するAutomotive Grade Linux(AGL)は、Software Defined Vehicle(SDV)開発を加速するリファレンス実装「SoDeV(ソデブ)」を公表しました。2026年初頭から、仮想環境やクラウドプロセッサ、自動車向けSoC対応のパッケージとして提供開始予定です。

SoDeVは、車載ECU(電子制御ユニット)の統合と仮想化を前提とした「ソフトウェア・ファースト」の開発環境を提供します。AGLの基盤ソフト「Unified Code Base(UCB)」に加え、Linuxコンテナ、デバイス仮想化標準のVirtIO、ハイパーバイザーXen、リアルタイムOSのZephyr、組み込みLinuxを構築するYocto Projectなど、Linux Foundation配下の複数プロジェクトを単一ダウンロードに統合する点が特徴です。従来は自動車メーカーやサプライヤーが個別に行っていた複雑な統合作業を省き、SDVアーキテクチャの評価・開発を短期間で始められるとしています。

主導するのはパナソニック オートモーティブシステムズ、本田技研工業、AGL SDVエキスパートグループで、トヨタ自動車、マツダ、アイシン、ルネサス エレクトロニクスなども貢献企業として名を連ねます。SoDeVは、ハードウェアからソフトウェアを切り離す抽象化層を備え、車種や世代をまたいだ機能共通化やOTA(無線)アップデートの容易化を狙います。AGLは、機能安全規格ASIL対応に向け、Linux FoundationのELISA Projectとの連携も進める計画です。

SoDeVアーキテクチャは、2025年12月8〜10日に東京で開催される「Automotive Linux Summit」で詳細が議論され、AGLエグゼクティブディレクターのDan Cauchy氏による基調講演やデモセッションが予定されています。今後は、実車開発での採用事例と機能安全対応の進展が、SDV時代の共通基盤としてどこまで浸透するかを占う指標になりそうです。

【イベント情報】

イベント名 Automotive Linux Summit

会場 東京(詳細は公式サイト参照)

会期 2025年12月8日〜10日

source: PR TIMES

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