データ連携ソリューションを手がけるCData Softwareは、ソフトウェア企業と大企業のデータ・AIリーダー200名超を対象とした調査結果を公表し、自社のデータインフラストラクチャ(データ基盤)がAIに「完全対応している」と答えたのは全体の6%にとどまったと明らかにしました。AI導入の進展にもかかわらず、基盤整備が追いついていない現状が数字で示されています。

調査では、AI成熟度が最も高い企業の60%が高度なデータ基盤へ投資済みである一方、AI実装に苦戦する組織の53%は未成熟なデータシステムが足かせになっていると回答しました。AIチームの71%は業務時間の4分の1以上をデータ統合に費やしており、本来のモデル開発や新機能の検証に割く時間を圧迫している実態も浮き彫りになりました。

技術面では、単一のAI用途でも6つ以上のデータソースへのリアルタイム接続が必要とする企業が46%に達し、接続の複雑さが急増しています。AIエージェントにリアルタイムデータが不可欠と回答した割合は100%でしたが、2割の組織はリアルタイム統合機能をまだ備えていません。AIネイティブのソフトウェア企業では、26以上の外部統合が必要なケースが46%と、従来型企業(15%)を大きく上回りました。

投資の優先順位も変化しています。AIモデル開発を最優先とする組織は9%にとどまり、83%が「中央集約型でセマンティックに一貫したデータアクセスレイヤー」への投資を完了または計画中と回答しました。これは、ばらばらに管理されるデータを共通の意味づけで統合する層を整える動きが加速していることを示します。AI成熟度の高い組織はこのレイヤーをすでに構築済みである一方、低成熟度の組織の80%は未着手で、企業間の格差拡大が懸念されます。

今後は、モデルの高度化よりも、リアルタイム性と接続性を備えたデータ基盤の整備が競争力を左右する局面が強まるとみられます。レポートは、こうしたインフラ格差がAI活用の「決定的な分かれ目」になりつつあると指摘しており、日本企業を含む各社がどこまで投資を前倒しできるかが注目されます。

【レポート情報】

AI データコネクティビティの現状レポート:2026年の展望

詳細・ダウンロード https://jp.cdata.com/lp/ai-data-connectivity-report-2026/

source: PR TIMES

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